NO21-欠陥住宅

オカルトとは関係ないのですが 「怖かった経験」みたいな感じのお話です。

先日ドライブで郊外に出かけた時のことです。
空き地にぽつんと一戸建てのお家が建っていました。
西洋風の絵本に出てきそうな可愛い二階建てのお家です。

木造でベランダや出窓もおしれにデザインされ、 出窓から中の部屋が見えました。子供用のブランコが置いてあります。 こんな家に住めたら子供も嬉しいだろうな・・・と思っていたら、

よく見るとその家、なんかちょっとおかしい。

外装が異常に汚いんです。すすけたようにあちこちが茶色。
壊れてるわけじゃないからそんなに年月経ってないのに、人の気配がしないお家。
古い感じがしないのにとにかく汚い。

そして、家のすぐそばに見つけた大きな看板。

ハンドメイドで作られたであろう打ち付けられた、その看板には 手書きの大きな殴り書きでこう書いてありました。

「輸入木材による超欠陥住宅!!解体直前特別大公開!!」

そう、そのお家は欠陥住宅なのです。

何十年もの住宅ローンを組んでやっと手に入れた夢のお家。
それが住むに耐えられないほどの欠陥住宅だった。
建設会社からは満足のいく対応を何一つしてもらえなかったのでしょう。
もしかしたら倒産夜逃げ行方不明なのかも・・・・・。

あとに残ったのは膨大なローンと住むどころか廃墟にするしか方法のない夢の残骸。
解体費もそれなりに費用が掛かる。お金ばかり出て行って住むところもない・・・・
看板からはそんな持ち主の底なしの怒りと憎しみが伝わってくるようです。

お家のドアは開け放たれていて

「入り口はこちら!内部見学どうぞ」

と、これまた手書きの看板が立てかけられていました。

おりしもその日は雨でした。家を打つ雨の音が地の底から響 悲鳴のように思えました。
一歩踏み入れたら底なしの祟りに取り付かれてしまうような気がして、とても中に入る気になれませんでした。

これは死んだ人の呪いとか怨念ではなく生きている人の話で、お家そのものには何の祟りも伝説もありません。 只、亡くなった人がこの世に残す怨念より、生きている人のそれの方がはるかに恐ろしいと感じてしまいました。

写真の一枚も撮って来れば良かったのですが、何しろ背筋が寒くなるほどの恐怖が先で・・・・。

今度行った時にはもう取り壊されてる事だろうと思います。
怨念だけが土地に残ったりしなきゃいいけど・・・。

投稿者 シシャモさん 性別: ? 年齢: ? 人種: 豆腐男前

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制作著作/どっすこい丸