NO9-狐憑き

私、家庭教師のアルバイトしているんですが、そこのバイト先のお母さんが、見える人だって言うので(まあ信用はしてないんですが)結構、話を聞くんです。その中の話なんですが…。

彼女が今住んでいるところに引っ越してきてすぐに近所で入水自殺者が出たんですよ。

彼女のうちの近所で顔見知りだったから、そういうことがあったことも、どこの池に落ちたかも知っていたらしいんです。それから、少したって、彼女、その池の近辺を歩けなくなったらしいんです。もちろん、車でも。

どうしても嫌がるから、旦那さんとお子さんが聞いたらしいんです。何があったのか。そしたら彼女言うんです。

自殺したあの人が道を歩いてる。それでどんどん歩いて、池のフェンスに足かけて攀じ登ってる。こっち向いて笑う。 彼女まったく動けなくなるそうなんです。

どうして彼女がそんな見えるようになったかというと、昔、狐憑きに遭ったらしいんです。

あっしは思春期にはよくあるんですよね〜っていったんですが、どうもそうじゃないらしくて、中学生のころ帰宅途中で道の端に立ってる石に寄り添うように真っ白な顔をした女が立ってるのを見たそうです。その女の顔があまりに白くて、でも唇の色は怖いくらい赤くて…。

彼女一目散に帰って、お父さんに助けを求めたらしいんです。変な人が、怖い人がいる、と。

あまりに騒ぐから仕方なくお父さん見に行ったらしいんです。で、結局見つからなくて、文句いいながら帰ってきたんですって、いなかったぞーって。

でも彼女がたがた震えて、「何いってんの!連れて来てるじゃない!」って。それから狐憑きになってしまったとか。

まぁ、よくある話っちゃあよくある話なんですけど、実際知り合いがって言うと怖いですよね…。

余談なんですけど、あっしはその怪談話で一時間延長して、帰りの電車に乗り遅れて90分間(こういう糞電車があるんです)誰もいないホームで終電(それでも22時くらい…)を待っていました。

投稿者 村さん 性別: 女 年齢: ラビット関根 人種: みっしり

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